ああ、ハワイ!

ハワイ島のヒロに引っ越してきてからのアレやコレや

ああ、ククイハエレ

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ハワイ島の第一日目は北東にある名勝地ワイピオバレー近くのククイハエレという小さな地区に泊まった。
映画『ホノカアボーイ』で有名になったホノカアから車で10分ほど、あの小さな町ホノカアが大きな町に見えるほど小さな地域で今回調べたらなんと人口336人だった! 
http://www.city-data.com/city/Kukuihaele-Hawaii.html

ククイハエレは前回来た時に、こんなとこに住んでみたいなあと強く強く感じた所。今回来た理由もその感じを確かめたかったからで、第一日にここに泊まってもその感覚はぜんぜん色あせてないなと実感した。
崖の近くに行くと雄大なワイピオ・バレー、前面には真っ青な海が見える、というそれだけなのだが、その静けさと景観の素晴らしさに陶然となってしまった。

着いた翌日の朝、ホステルの庭から散歩して、崖っぷちに座ってずっと海を見ていた。かなり遠くだが、クジラが汐を吹いたり、身体を跳ね上げたり、またイルカらしき一団がヒョイと身体を踊り出している様子を見ていたら、なんと2時間があっという間に過ぎてしまった。すごく満足感のある濃密な時間で、家にいてインターネットを使って2時間が過ぎてしまった時のなんとも言えぬ「しまった!」感とは対極にある時間の過ごし方だった。
「終の住処」という言い方があるが、私も「人生の最後をここで迎えられたらなあ」と思わぬではない。でも、まだまだやりたいことがあるし、死ぬ予定もないので、「終の住処」というのはまだ実感としてはピッタリしない。

という訳で、前回予告した一泊二人45ドルのホステルであるが、なかなかの体験だった。

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あの辺りにまだ残っているプランテーション・ハウスの地下部分に小さな部屋を三つ作って、中心にリビングルーム・スペースがあるという間取り。天井が低いし、築100年とかいう建物は相当な年代物というか、傷みまくっていた。上の部屋を借りている二組のカップルが歩くと頭の上にガンガン響くし、トイレから鼾の音まで臨場感いっぱい。まるで奴隷小屋にいる気分と思っていたら、この部屋はプランテーションで働いていたフィリピン労働者の住まいだった。シャワールームがプランテーション労働者の暮らしぶりを彷彿させてくれる変わったつくりだ。
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オーナーのスティーブさんのおばあちゃんが住んでいた家だったとかで、彼自身は島内のアチコチにたくさんの物件を持っているちょっとしたお大尽様。近所の鬱蒼とした森の中にあるプランテーションのマネージャーが住んでいたというプール付きの大豪邸に住んでいた。「おじいさんたちは、まさか孫がこの邸に住むようになるとは思っていなかっただろう」とはスティーヴさんの弁。きっと彼は絶対あの邸を手に入れようと思って頑張ったんじゃないかな。偶然手に入れたって感じはしなかかった。それにしても、あの豪邸を見た時、私たちの泊まった部屋が奴隷小屋って思ったのは当然で、きっと厳しい労働をした人たちの記憶があの部屋に残っていたからではないかと思う。

文句が多くなったが、腐ってもククイハエレのホステルである。真ん前は雄大な海が見えるし、馬やヤギもいてノンビリ天国だ。しかも、庭にはマカデミアナッツが一杯落ちていたし、オレンジやみかんなども取り放題で、毎朝ごちそうになった。とりわけマカデミアナッツは、殻を割るクラッカーがあって、割り立てをナマで食べるという贅沢を堪能した。ナマはローストしたのより新鮮な食感があってオイシかったぞー。
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